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桃山時代晩期~江戸初期に美濃古窯で焼かれた絵志野茶碗の優品で、裏千家十五世鵬雲斎書付箱「銘 高砂」に納まる。
百草土を轆轤水挽成形で挽き上げ胴部中ほどを絞り、やや沓形に整えた口縁を浅く滑らかな山路にし、やや丸みを持たせた腰高で古格ある桃山期絵志野茶碗である。
絞り込んだ茶碗胴部の窪みに銘の由来であろうか、影絵のような舟影様の絵が、やや濃く薄く間をおいて二様描れている。

 

厚く上掛けされた長石釉は良く溶けて、しかも柔らかく古志野特有の焼き上がりを見せており、器体全面には肌理細やかな貫入が入り柚子肌となっていて、また釉薬の掛かりの薄い柚子肌の小孔や釉際、口縁には火色が出て誠に趣き深い景色となっている。
口縁から見る見込は大らかな作りで、中央部に茶溜りを削り出している。また器体底部畳付は、古い形のやや小振な削り出し高台となっており、格調高く気品のある大へん使い勝手の良い古志野茶碗である。

 

【参考】裏千家十五世家元 千 宗室(玄室)
千玄室(1923年/大正12年4月19日生)は茶道裏千家前家元十五世汎叟宗室 斎号は鵬雲斎、若宗匠時代は宗興。
現在は大宗匠・千玄室と称する。
「玄室」の名は、千家四世の仙叟宗室が宗室襲名前に玄室と名乗っており、これに因んで十二世直叟宗室が隠居した際に玄室を名乗ったことに由来する。
本名は千 政興。
京都大学大学院特任教授、大阪大学大学院客員教授として伝統芸術研究領域に於ける指導に当たるほか、外務省参与、ユネスコ親善大使、日本国連親善大使、日本国連協会会長、日本オリンピック(委)名誉委員、日本会議代表委員、日本馬術連盟会長、他を務めている。
【受賞・栄典】
(1997年11月)文化勲章(茶道界として初)
その他、国内外からの褒章勲章、栄典受賞多数

古志野茶碗「銘 高砂」

SKU: 0024
¥750,000価格
  • 時代        桃山~江戸初期
    口径        13.0×12.1cm
    高さ        8.0cm
    高台径        5.8cm
    付属品        桐箱(裏千家十五世 鵬雲斎書付)
    その他        更紗仕覆・更紗包布

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