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置形に黄釉のなだれがある景を天橋立に見立てて、小堀遠州が命銘した橋立と同手の古瀬戸破風窯茶入である。
破風窯の中でも、この手のものは珍しく同種の茶入は比較的少ない。
茶入の容姿は、口が広く、捻り返しが浅く、肩はかっきりと衝いている。腰が張り、裾から下は二重掛けの下鉄釉が赤味を見せ、また、肌理の細かな白土の胎土が覗いている。
底面は鋭く切られた糸切跡が残り時代を感じさせてくれる。
総体に黒味のある茶釉が掛かり、肌理の細かな釉質の間に、口造りから正面にやや幅のある黄釉がなだれて見事な景色を見せている。
姿形、色味の深さから見えてくる誠に味わい深く古格のある古瀬戸茶入である。
時代納箱蓋表に「いもの子茶入」の銘が認められている。

 

【参考】破風窯
瀬戸茶入の一分類。伝承によれば瀬戸陶祖藤四郎から数えて四代目の作を呼ぶとされている。
年代は戦国時代で黄釉の景色が多く、しかもこれが屋根の破風のように掛かる傾向があって、その名の由来となっている。
窯分けとしては、さらにこのうちに翁手、風手、口広手、渋紙手、皆の川手、音羽手、正木手、橋立手、玉川手、米市手、市場手などがあげられる。
 

古瀬戸破風窯尻膨肩衝茶入「銘 いもの子」

SKU: 0026
¥400,000価格
  • 時代        桃山時代
    口径        3.5cm
    高さ        7.1cm
    胴径        5.8cm
    付属品        金襴仕覆・時代桐箱・包布
    その他        仕覆:時代布 白茶波梅鉢金襴

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