頸部が長く、胴部が扁平で胴高さの低い鶴首茶入で、おそらく後窯のいずれかの窯で焼かれたものと思われ、極めて類例の少ない瀬戸鶴首茶入である。
鶴首は言うまでもなく唐物にある形であるが、この鶴首茶入の頸の伸び具合は唐物のそれとは異なり、大きさは異なるが車軸形香合の様な感じで座りが良く魅力的である。
水挽成形で長く伸ばした頸から胴にかけては丸みを持たせた撫で肩で扁平で丸みのある胴部に繋がり、すぐに面取りですぼまった裾際となる。
底部畳付は鋭く糸切した平底となっている。口造りは丸みをもった捻り返しのない口造りで、真っ直ぐに伸びた頸には薄く轆轤目が見える。
釉調は黒飴釉が濃く掛かり、下釉と溶け合った鉄色が口縁や頸部、胴裾に美しい変化と光沢を見せ、またて腰裾は素土が見えて腰際と釉薬の間の変化が景色を成し見所の一つとなっている。
古瀬戸鶴首茶入
SKU: 0016
¥250,000価格
時代 桃山~江戸初期
口径 2.8cm
高さ 8.8cm
胴径 6.3cm(3.0cm)
底径 5.0cm
付属品 時代桐箱・包布
その他 金襴仕覆:白茶菱紋卍繋金襴