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蓋物の鉢は織部のなかでは大物の部類であり、また魅力的な作品が多い。
四方入隅にした長方の蓋物で、一般に見る蓋物に比べ身の立ち上がりが深くたっぷりとしている。
平らな蓋の中央に十六弁の裏菊の花を浮彫りして、摘みを付けている。
また蓋裏には松林文を描いている。


鉢の身は蓋ともに対角に織部釉を掛け、蓋の余白には菱畳文や千鳥文、それに抽象的な文様など、また縁縁には黒地に桧垣文様などを描き、身の見込には葦に千鳥文や抽象的な文様を軽妙に描いている。
鉢外側の一方には間道文様、片側にも文様変わりの間道文を描いている。

 

焼上がりは、蓋身ともに良好で釉膚はいかにも柔らかく上がっている。
緑釉の釉切れが淡く辰砂に窯変しているのも巧まざる景色となっている。
 
【参考】織部の窯 元屋敷窯(久尻) 有段連房式登り窯
美濃における最初の十六室もある大きな連房式登り窯であった。
天目、志野、黄瀬戸の他に、今日織部と言われる殆どの作品、織部黒、黒織部、総織部、赤織部、鳴海織部、志野織部など、さらに唐津写しや美濃伊賀などを焼いている。
器形も茶碗、茶入、香合、香炉、向付、鉢、徳利、盃など多様である。


筑窯した加藤景延の屋敷跡ということから元屋敷と呼ばれている。

他に隠居山裏窯、窯根窯、清案寺窯(久尻)、清太夫窯(大平)、弥七田窯(大萱)、八幡窯(五斗蒔)、大富窯(大富)、定林寺西洞窯がある。

織部菊摘四方入隅蓋物

SKU: 0013
¥300,000価格
  • 時代        桃山~江戸初期
    口径        19.5×22.3cm
    高さ        12.8cm
    高台径        --cm(三脚)
    付属品        仕覆・合桐箱
    その他        --

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