轆轤水挽後、折り返した口の四方を摘んで撫四方とし、器外側四方に二ツと三ツの塁座を付けた鼠志野の向付である。
一段深い見込には穂のある草文様を白抜きで幾本かを描き、鬼板化粧掛けの上に掛かった長石釉は厚く掛けられて所々に溜りや流れを見せており、斑に溶けて発色に変化が加わって美しい鼠志野の景色を作り出している。また口縁外面四方には、間道文や檜垣文を描いて趣きを深くしている。口縁や底など釉掛かりの薄いところには暗褐色の赤味があらわれて鼠志野の魅力を深めている。
底面中央周りには薄く渦状の轆轤目があらわれ、その外側三方に脚が付けられている。
本向付は五客揃いで桐段箱納となっている。
【参考】鼠志野
素地の上に鬼板で化粧し、その上に長石釉を掛けたもの。文様は鬼板を化粧掛けしてから文様を鋭利な物で掻き落とし、その上から白い長石釉を掛けたもので、掻き落とした部分が白く文様となってあらわれる。
鼠志野草文塁座向付(五客)
SKU: 0025
¥350,000価格
時代 桃山~江戸初期
口径 12.5cm
高さ 5.5cm
外径 14.5cm
付属品 時代桐段箱・包布
その他 三脚