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桃山時代 鼠志野茶碗の代表作(峰紅葉、山端)と似た作振の茶碗で、美濃大萱窯下窯の作と考えられる。
骨董書画古陶磁研究 鑑定家の久志卓真氏 識箱に納まる「銘 唐衣」桃山時代作の鼠志野茶碗である。

 

小さく削り出された高台から腰にかけて直線的に開き、腰高の胴部には五つの亀甲文とその胴裏に檜垣文が描かれ、口縁下に浅く箆彫を廻してやや口開きに見せながら穏やかな山路風に口造りがされている。
胴部には縦箆目を浅く面取り風に幾筋も廻し彫されており、また、腰部には浅く箆彫溝を廻し付けられている。
胴部全体にまんべんなく掛けられている釉下鬼板化粧と素地土、それに志野釉との成せる技か、箆目文様と志野釉の厚い薄い、そして胴外全体に現れた柚子肌等が相まって見事な鼠志野の釉膚景色を作り出している。

 

また、鬼板化粧は高台から続く底面を土見せにし、腰縁下に掛かった志野釉を手指で搔き落した赤黒い縞模様も景色として見せている。
本鼠志野茶碗は全体的に装飾的効果を求めた作振りの茶碗で、見込は広くて深い茶溜りがあり、また手持ちも良く古格のある趣き深い茶碗である。

 

【参考】久志 卓真(くし たくしん) 1898~1973 11.10
音楽家、音楽評論家・書画骨董研究者、鑑識家
久志卓真は本来はバイオリニスト兼作曲家の音楽家であったが、古陶磁器研究評論家となり、「志那の陶磁」「志那明初陶磁図鑑」「志那上代史」「朝鮮の陶磁」「骨董遍歴」等、陶磁器に関する十数冊の著作を公刊している。
陶磁に関する執筆は、昭和14年12月(1939)の「茶わん」誌上からで「古美術」「やきもの」「日本美術工芸」「陶説」への著述など多数に上る。
「陶説」編集責任者、日本陶磁協会理事等を務めた。

鼠志野亀甲文茶碗「銘 唐衣」久志卓真識

¥800,000価格
数量
  • 時代        桃山時代
    口径        12.5×12.0cm
    高さ        8.3cm
    高台径        5.5cm
    付属品        縮緬仕覆・更紗包布
    その他        塗仕立箱(久志卓真 識)

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